ロイズチョコレートワールドに導入されているアーム型の産業用ロボットの開発を担った安川電機。「ロイズチョコレートワールドという魅せる工場の実現に携わることは、楽しみな反面、不安も大きかった」と語るのは、同社のロボット事業部開拓推進担当の塩崎さん。ロイズコンフェクトのふと美工場に、産業用ロボットを導入している縁から、今回の企画・設計についても依頼があり、幾多の実験とシミュレーションを経て、現在の産業用ロボットが完成した。「産業用ロボットの魅力にふれた子どもたちが、人の役に立つロボットや技術の開発を志すきっかけとなってくれれば」と、塩崎さんは期待を寄せている。子どもから大人まで夢中にさせる産業用ロボット。その影で世界シェアNO.1の技術とテクノロジーが活躍しているのだ。

チョコレートによるエンターテインメント。

ロイズチョコレートワールドは、今年7月に、新千歳空港の国内線と国際線、両ターミナルビルを結ぶ連絡施設3階(スマイルロード)に誕生した、日本国内では初の空港内に併設されたチョコレート工場。施設の構成は、実際にチョコレートを製造するファクトリーエリア、チョコレートの歴史を学ぶことができるミュージアムエリア、多彩なオリジナル商品を購入できるショップと3つのエリアに分けられており、すべて無料で見学することができる。
チョコレートをモチーフにしたオブジェが並ぶミュージアムエリアでは、チョコレートの主原料であるカカオが、チョコレートになるまでの工程を、パネルや映像によってわかりやすく解説。幹や枝に実をつけるという不思議な性質を持つカカオの樹は、ジオラマによって再現されている。さらに、世界各国のチョコレートやココアの缶、アンティークのチョコレート型など、さまざまなコレクションを多数展示。巨大な板チョコをモチーフにした顔出し撮影パネルなど、チョコレート好きならずとも十分に楽しむことができる。
ファクトリーエリアでは、実際のチョコレート製造ラインや工房が設置されており、ガラス越しに見学することが可能。工房ではチョコレートをディップしたり、飾り付けたり、人の手ならではの繊細な作業に目を奪われる。そして、もう一つの見どころが、奇妙でコミカルな動きを繰り返す、アーム型の産業用ロボットの活躍ぶり。かわいい動物が描かれた「ロイズポップチョコ」の工程ではプラスチックのスティックをつかみ、チョコレートの型枠へ素早く並べていく。一見単純そうな作業に見えるが、細くて軽いプラスチックを扱うには精密な操作が要求される。また、完成した製品を包装用のラインへ移動させるロボットにはカメラが設置されており、コンベアに並べられたチョコレートの位置を認識。数ミリ単位の僅かなズレも見逃さず、チョコレートを正確に運ぶことができるのだ。
隣接するショップでは、実際にこの工場で製造されたチョコレートも販売されており、スティックタイプのチョコレートや、贈り物やおみやげにぴったりのギフトボックスまで約200種類を取り揃えている。まさに、チョコレートによるエンターテインメント。空港に新しいチョコレートの世界が誕生したのだ。
「夢をあたえる仕事」という使命

ロイズチョコレートワールドを運営するロイズコンフェクトは、言わずと知れた北海道を代表するスイーツメーカー。品質はもちろん、個性を追求し、「心に残るチョコレート」を志す同社のコンセプトと、新千歳空港が掲げた「北海道ショールーム」の目玉となる施設を創りたいという両者の想いが一致。空港の中にチョコレートの工場をそっくりそのまま持ち込むという、世界にも例を見ない試みが実現したのだ。「ただ製造しているところを見せるだけでは、お客さまは喜ばない」という考えのもと、機械の動きが間近で見られるモニターを設置したり、透明のカバーを用いるなど、見学しやすいよう配慮がされている。また、温度管理が重要なチョコレートづくりを伝えるために、チョコレートが温かい場所は「赤」、冷やされている工程では「青」のLEDライトで知らせるなど、子どもたちにもわかりやすい工夫が随所に施されているのだ。
新千歳空港とロイズコンフェクトの想いが結実して誕生したロイズチョコレートワールド。今日も、芳しいカカオの香りに包まれ、子どもから大人までたくさんの笑顔で満ちあふれている。






